■お知らせ
2021年4月1日より、新店舗にて営業再開いたしました。皆様のご来店を心よりお待ちしたおります♪
おすすめ情報♪

一ミリの魔法

荒川区で作家として活躍しているお客様が、当店をイメージした短編ノベルを書いてくださいました✨是非ご覧ください✨

一ミリの魔法

毎日が最低最悪なんてことはめったになくて、
毎日がこれ以上ないくらい幸せなんてこともなくて、
それでも別に周りの景色は色棲せて見えないし、
何か特別な出来事を期待するわけでもない。

大部分がそんな風に過ぎて行って、
案外そんな人生でいいんじゃないかと本気で思っている。

それなのに、横を通り過ぎる女子大生らしき人たちは、
今この瞬間こそが一番幸せだと言いたげな笑顔で歩いて行った。

キラキラとエフェクトがかかりそうな後姿に目を惹かれ、
彼女たちの会話の種が何だったのかはわからない。

「あ、コンビニいこ」

過ぎてしまえば一瞬の出来事。
もう彼女たちの服の色も覚えていない。

家への道を一本ずれて大通りへ向かう途中、
最近新築された家の前にさしかかった。

一見、普通の一戸建てだが、
よく見ると玄関の隣に別で入り口があり、看板もある。

「ネイルズ、ム・・・ミュ?」

「ミューコ、と読みます」

看板の文字に目を凝らしていたせいで、
正面だというのに女性が出てきたことに気づかなかった。

黒いエプロンを着けて快活に笑うこの人はきっとこのサロンのオーナーなのだろう。

「すみません・・・じろじろと」

客でもない人間が店先でうろうろとしていても良くないだろう。
もともとコンビニに行く途中だったし早々に立ち去ろうと一礼したが、
踏み出す足より先に女性に声をかけられた。

「良ければサンプルだけでも見て行かれませんか」

「え?」

強制するでもなく、ごく自然な声色に誘われたのか営業にまんまと流されて、
気づけば施術台に座っていた。

見慣れない道具が左右に置かれ、
これから何をどうするのか、全く心の準備ができていないためにソワソワと周囲を見渡すことが止められない。

パネルに飾られた数々のサンプルは確かに可愛くて締麗だ。
ほとんど模様がなくパーツのついていないシンプルなデザインも多々あるけれど、
なんだかこれが自分の爪になるだなんてやっぱり想像できない。

伸ばしている理由もないために短く適当な長さに切り揃えた自分の爪を見ながらささくれなんかを取っていると、
準備を終えたオーナーさんが目の前に座った。

「ネイルは初めてですか?」

「はい」

「どんなデザインにしましょう?」

そう言われても何も考えていなかったのだから急に決められない。

ここは大人しくサンプルから選んだ方が無難だろうと、
一番シンプルなべージュのワンカラーを指さした。

「シンプルなものがお好きですか?」

「え っと・・・爪も短いですし最初から冒険することもないかな、と」

本当は柔らかなピンク色で描かれた桜と小さくきらめくストーンが可愛らしいサンプルに惹かれている。
けれど、自分の小さな爪では桜が窮屈そうな気がした。

「そういうことでしたらご心配なく。きちんと処理をすれば今より面積は広くなりますから。
気になったデザインがあったら遠慮なく言ってくださいね」

何故かわからないがお湯に手を浸けられたまま視線が桜のサンプルに注がれていたのを見透かされたように言われ、
ほんの少し照れくささを感じながらもじゃあ、と口を開いた。

「その、ピンクの桜 のやつで・・・お願いします」

「かしこまりました」

スッ、スッ、スッ

自分の指先で繰り広げられている光景に目が釘付けになる。
先端が薄く曲がった器具で甘皮がするするとめくれて、どう見ても一回りは爪が大きい。

物をひっかけた時やささくれと一緒に裂けた時は地味に痛いのに、
まるで魔法のように取り払われていく。

たった一ミリ程の甘皮がなくなっただけで、
こうも見え方が変わるものなのかと衝撃を飲み込みきれずに自分の両手を見つめ続けていた。

「桜の位置はここでいいですか?」

「はい」

「ストーンの大きさはこのくらいでいいですか。」

「はい」

ネイルは思った以上に時間がかかるらしい。
子供のころに遊び半分で塗った玩具のマニキュアとは違い、
色をのせるまでにも必要なケアがあって、一色に染めるのにも複数工程があって、
花びら一枚描くのに画家の絵筆のような物を数本使いこなす。

絵心のない自分には到底無理な職人技を惚けるように眺めていると、
気づけば両手に満開の桜が咲き誇り、
光を反射するストーンがまるで陽光の粒のように輝いていた。

「オイル 塗りますね」

ふわりと立ち昇るアロマが鼻をくすぐり、指先の桜から香っているような気がしてくる。

始まってもしつこく残っていた違和感は跡形もなくて、
自分の手に咲く桜はとても自然に馴染んで見えた。

「いいですね。今の時期にぴったりです」

確かに、今は丁度桜の季節だ。
外を歩けば桜を見られる。
けれど今日からは

「どこでも、桜が見られますね」

「指先で季節を感じるのっていいですよね。それに指先が華やかだと
気分もあがりますし」

「ありがとうございました 」

お代を払って店を出ると、店先まで見送りに来てくれたオーナーさんに一礼して最初の目的地であったコンピニに足を向ける。
すると後ろでオーナーさんに話しかける年配の女性の声が聞こえ再び足を止めた。

どうやら予約のお客さんのようで、飛び入りで施術してもらったことに少し申し訳なさを感じる。

笑顔の可愛らしいご婦人は先程見た女子大生のように幸せそうな顔でサンプルを眺めている。

その指先では、既に溢れんばかりの胡蝶蘭が咲きこちらを向いていた。

「そっか・・・」

ようやくコンビニに歩き始めたが、ご婦人の服の色も笑顔も、あの胡蝶蘭も頭から離れない。

思えば、あの女子大生たちも新しいネイルがどうとか、話していたような気もする。

雲に隠れていた太陽が顔を出し、眩しさに手をかざした。

目の前には満開の桜。

にんまりと口角が上がるのがわかって、思わず周りを見渡す。

やはり、このデザインにして良かった

あの一ミリが、こんなに桜を締麗に咲かせるなんて知らずに無難なデザインを選んだ自分に教えてやりたい。

たった一ミリが魔法の鍵だと。

毎日が最低最悪なんてことはめったになくて、
毎日がこれ以上ないくらい幸せなんてこともなくて、
それでも別に周りの景色は色褪せて見えないし、
今日自分に摩詞不思議なことが起きたわけでもないけれど、

あの女子大生たちのように、
あのご婦人のように、

笑えるような幸福は存外ちりばめられているらしい。

そんな風に飛んでくる幸福を掴まえるために、

ほんの指先くらいの、ほんの一ミリくらいの魔法ならここにある。

「季節、感じるわ~」

ーーーNail’ s MyuCoーーー

魔法の言葉

Fin.

荒川区にお住まいの作家、「みなこ」さんが、当店の新規開店祝いに書いてくださいました。

彼女との出会いは7年も前になるんですね。

まだ高校生だったような気がします。

将来なりたい職業とか、夢中になっていることとか、ネイル中にはたくさんの事を語ってくれました。

喜ばしい話には明るい気持ちで、困っていることは一緒に考え、まるで母のような、姉のような、そんな気持ちになって聞いていたものです。

そんな彼女、今ではバリバリ働いて、バリバリ小説書いて、すごく素敵なお姉さまになって💓

これからの未来にはきっと素晴らしいことが待ってますね!これからのみなこちゃんが楽しみです✨

しかし、文章書ける人、表現する人って凄いですよね!

キューティクル(甘皮)を下げる部分を『一ミリの魔法』だなんて!

私からしたら、ジェル塗るのにいらない部分、あってはいけない部分なので除去してますが、

確かに、そのラインを綺麗にすることで仕上がりもより美しくなるのですが、

それを『魔法』と表現するあたり、さすがだな!と、大変感動しました。

さしずめ私は魔法使い!!

魔法使いの名に恥じない仕事をして行こうと、改めて思いました。

今回は、当店のために書いてくださった短編ノベルをご紹介させていただきました!

よかったら、このブログの下の方にコメント欄があるので感想などいただけると嬉しいです😊

お読みくださいまして、ありがとうございました✨

(なんか、YouTuberみたいな終わり方だな^^;)

お客様ネイルや店舗情報などを発信しております。ご登録お待ちしております(#^^#)
新しいデザインやLINE限定キャンペーンなど配信してます📦
トークも1対1ですので不安点や疑問点、デザイン依頼など、安心してご相談ください📧

友だち追加
記事についてのコメントはページ下方にあるCOMMENTよりお送りください!コメントお待ちしてます(*ˊᗜˋ*)/ᵗᑋᵃᐢᵏ ᵞᵒᵘ*

【nail’s MyuCo】

●ウェブサイト
ネイルズミューコ

●アクセス
荒川区西尾久5-3-21(地図はこちら)

●ご予約
TEL : 080-4006-8864

WEB : ご予約はこちら

MAIL:myuco@nailsmyuco.com

タイムライン配信中♪

●営業時間
月曜~金曜 9:00~19:00
土曜祝祭日  9:00~19:00
日曜     9:00~14:00

時間枠】
9:00/11:30/14:00/16:30/19:00

 

●各種クレジットカード(VISA・master・AMEX など)
交通系電子マネー・楽天ペイ・paypay 取扱

 

最新記事
こんな記事もおすすめ♪

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です